2021年06月14日

サヨナラ、犬。

2021年6月4日18時33分頃、愛犬ボランが息を引き取りました。
14歳3か月でした。
自分が将来、年を取って記憶が曖昧にならないように記録しておこうと思います。

犬が我が家にやって来たのは2007年5月6日
ゴールデンウィークなのに寒くて凍える雨の日でした。
ホームセンターに子供の学習帳を買いに行ったら
ペット売り場で鼻水をダラダラ流してガタガタ震え「買ってくれよ」という目で僕を見ている子犬がいました。
売れ残りのバーゲン価格で7万円のチワワ。
のちのボランです。

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僕は犬はあまり好きではなく買う気もなかったのですが店員に聞いたら
売れ残ったら殺処分されるかもしれないと言うので
ついつい勢いで買ってしまいました。

学習帳を買いに行ったはずが鼻水をダラダラ流している特価品のチワワを買って帰ったので家族もビックリです。
しかも買ってきたのは犬が嫌いな人間。
あの時なぜ犬を買ったのか自分でもわかりません。

犬の名前は最初「ガクシューチョー」や「ハナミズ」「レイン」にしようと思いましたが
家族が猛烈に反対するので
大好きなグラムロックスター、マーク・ボランから拝借し「ボラン」と命名しました。

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そんなこんなで雨の日にやってきたボランはすくすく育ちました。
ちょっと頭の悪いところもありますが鼻水が治まってからはたいした病気もせず元気に走り回って、
帰宅した僕が玄関のカギをカチャッと開けた瞬間の音に反応し、、
遠くの方から鉄砲玉のようにターッと走って尻尾を振りながら迎えに来る忠犬に育っていました。

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セブンイレブンの一風堂カップラーメンのスープを水で薄めてかけたご飯が大好物で
僕が一風堂を食べていると遠くから鉄砲玉のように走ってくる可愛い一面もありました。
食いしん坊で僕が何かを食べていると「くれくれ」とうるさいので、
いつも犬用のタマゴボーロを手の届くところに置いていました。

鼻水ダラダラで7万円で売られていた割には13年間大きな病気はしない健康な犬でしたが
老いには勝てません。

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まず去年の12月、犬が突然倒れたので検査したところ、内臓にピンポン玉ほどの腫瘍がみつかり
癌の確率が高いという診断を受けました。
高齢なので麻酔に耐えられる体力がなく、
精密検査も手術もリスクがあるため5日ほど入院しましたが歩けるくらいには回復し、
余生は通院しながら自宅で過ごすことにしました。

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ほぼ毎日点滴を打ちに行っていたので見かけは元気そうでしたがオシッコはオレンジに近い真っ黄色で
目にも黄疸があらわれ、食欲もなくなってきたので
そろそろ寿命かなと思って接しました。

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しかし思いのほか生命力が強く
無事3月17日には14回目の誕生日も迎えられました。
普通に元気そうに走り回るし、本当に癌なのかな?と思うくらいでした。

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ところが5月15日、犬が突然倒れ痙攣し、頭をフラフラ振って斜視になったので、慌てて病院に連れて行きました。
脳梗塞と診断され、このままもう歩けないだろうと言われました。

それからオムツ生活が始まりますが、犬も自由に動けないストレスで鳴いてばかりです。
ご飯も好き嫌いが激しくなり、食べられるものが少なくなってきました。

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しかし5月24日、奇跡は起こります。
僕が一風堂カップラーメンを食べていたら匂いにつられ
犬が両足で立ち上がったのです。
以前のように鉄砲玉のスピードではないですが
ミドリガメのスピードでノソノソフラフラ近づいてくるのです。
さすが食いしん坊。
食欲が奇跡を起こしたのです。

すぐにスープを水で薄めてご飯にかけてやったら
バクバク食べて元気を取り戻しました。
獣医さんも「歩けただけで奇跡だ」と驚いていました。


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それからオムツを取ってやるとフラフラ歩くようになりました。
しかし脳梗塞の後遺症で慢性的に「赤べこ」のように頭を振って歩いているので
長い距離は歩けません。
今まで絶対にトイレ以外でオシッコはしなかったのに
目を離すとトイレ以外でするようになりました。

柵を買ってこないといけないかなと話していたら
5月31日朝、犬は再び倒れて寝たきりになります。

病院に行ったら今度こそ寿命が来ると言われました。
6月2日頃からスーッと一日中寝ている状態になるのですがここで問題が発生します。
僕は6月3日に取材があり、妻は6月5日に用事があります。
二人で犬を看取るには3日と5日に死なれては困ります。

6月3日、取材から帰ってきても犬は生きていました。
スースー気持ちよさそうに寝ていました。

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6月4日、この日は雨が降ったりやんだりの天気で、
僕は事務所で仕事をしていました。
昼に様子を見に帰宅しても相変わらず犬はスースー気持ちよさそうに寝ています。
そして18時30分、、土砂降りの雨が降っている時、
妻から「ボランが死にそう」という電話が来ました。

慌てて自宅に帰ると犬の呼吸は荒くなっていて足も痙攣しています。
僕が犬のそばに寄った時、犬はカッと目を見開き、カッと口を開けて、一瞬のうちに死にました。
まるで僕が帰るのを待つかのように。
犬が死ぬ瞬間にギリギリ立ち会えました。
18時33分、犬は旅立ちました。

ああ、そうだ、そういえば犬が元気な頃は毎日、僕が玄関のカギをカチャッと開けた瞬間、
待ってましたとばかりに鉄砲玉のように飛んできて尻尾をブンブン振ってたもんなぁ。
僕が帰るまで死ぬのを待っていてくれたんだなぁ。
しかも6月3日は僕に用事があり、6月5日には妻に用事がある。
二人が家にいる6月4日を選んで旅立ってくれたんだね。

雨の日に我が家にやってきた特価品のチワワは、雨の日に向こうの世界に旅立ってきました。

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余談ですが、ボランが死んだ瞬間、口から魂が抜けていくような錯覚を見ました。
その瞬間、なぜが無意識にスマホで写真を撮っていました。撮影時の時間は18時33分。
あとで写真を見ても魂は写っていませんでしたが
今まで目をつぶってスースー寝ていた犬が死ぬ瞬間にカッと目を見開いてカッと口を開けて死ぬのは
「これで死にますよ」という合図を出してくれたのかなぁと思っています。
犬なりの「行ってきます」の挨拶だったのかなと。

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ここまで読んだ人は僕が犬をものすごく可愛がっているように思ったかもしれませんが
実際は妻の方が僕の20倍くらい犬の世話をしてきました。
雨の日も風の日も毎日病院に連れて行ったのは妻ですし
認知症っぽくなった犬にガブガブ嚙まれ血だらけの手でオムツを交換していたのも妻なので
学習帳のかわりに勝手に買ってきた犬を根気よく世話してくれて感謝しています。

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後日談ですが6月6日の午前中にボランの葬式を執り行いましたが
火葬をしている最中には雨が降っていました。
骨になった頃、雨はやみました。

最後の最後まで雨男ならぬ「雨犬」なボランでした。


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最後の最後までボランに愛情を注いでくれた動物病院↓
http://www.ohka-ah.com/


作品に登場した犬。

怨み屋本舗EVIL HEART 第6巻
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神アプリ第22巻
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その他にも「怨み屋本舗巣来間風介」等にも多数出演。



posted by 栗原正尚 at 00:00| Comment(3) | 怨み屋本舗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。

10年程前まで、日立市でレコード屋をやっていた者です。
その節は、いろいろとありがとうございました。

そうですか、ボランくん亡くなりましたか・・・残念です。
時々、ボランくん元気なのかな?と思ったりしていたのですが・・・立派な旅立ちでした。

私も、10数年前に近所の”地域ネコ”に出会ってから、その子孫と思しきネコを見守ってきましたが、その最後の2匹を昨年の11月頃からと、もう1匹を今月になってから見かけることがなくなってしまいました。
おそらく、旅立ったのかな?と思う今日この頃です。
飼ってやることができなくて申し訳なかったのですが、少しは気持ちが伝わったかな?と自分勝手に思っています。

長々と申し訳ございません、最後にボランくんのご冥福をお祈りいたします。

先生もお元気で。
Posted by 市久田宮津次郎 at 2021年06月14日 16:30
私の現在飼育してる犬は、マルチーズですが今年で13歳の老犬になってきました。飼育を開始した時が2009年3月だったのですが、飼い始めてから今までの約12年の月日が長いようで短かかったような気分です。
Posted by 関西在住 at 2021年06月18日 23:47
市久田宮津次郎さん

お久しぶりです。
お心遣いありがとうございます。


関西在住さん

犬の12年は長いようで短いですね・・・。
Posted by 栗原正尚 at 2021年06月27日 19:40
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