2013年11月27日

困ったアシスタント列伝 その1


最近、食品偽装が問題になっているじゃないですか?

アシスタントにも偽装する不届き者がいて、
あれは2003年か2004年か2005年か、とにかくそれくらい前の事・・・。

ネットの掲示板でアシスタントを募集したのですよ。
「実力のわかる背景のカット(コピー可)を郵送で編集部に送るか
データでメールで送ってください」的な事を書いて。

そうしたらものすごく上手い背景を送ってくれた人がいました。
アシスタント未経験者だけど
作画所要時間も早いし、とりあえず来てもらう事にしました。

それでいざ背景を描かせたら全然描けない。
パースという言葉すら知らない。
来てすぐ、キャラの顔のど真ん中にインクを垂らし
とてもつけペンを使っている人には見えない。
1時間経過しても線が5本くらいしか描けていない。
描くより考えてる時間の方が異様に長い。

何この人?と思って
「この作画見本、本当にキミが描いたの?」と聞いたら
衝撃の答えが返ってきました。

「いえ、これは少年マガジンのなんとかっていう漫画の背景をコピーして
フォトショップで汚れを取りました。」

「はぁ?キミが描いたんじゃないの?」

「はい、コピー可と書いてあったのでコピー送りました。」

「ええええ?だってキミ、所要時間4時間とかって書いてたじゃん!」

「はい、それはこういう背景を4時間で書きたいっていう意味です」

「・・・・・・・・・・・・」

そんな意味、理解できねーっつーの!!

もちろん1銭も払わずにお引取り願いました。

ついでに後日談があって、
この話はバッチリと「怨み屋本舗」でネタにしました。
多分13巻以降のどこかの巻に載っています。
木経弟のエピソードです。

最近入った新入りアシスタントも
送ってきた作画見本とはかけ離れた背景を描くので
密かに偽装を疑っています・・・。
俺の疑いを晴らすためにもちゃんと仕事をしてくれよ、T君。
posted by 栗原正尚 at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 困ったアシスタント列伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする