ストーンズやポール・マッカートニー、フランツ・フェルディナンドの新譜や
その他もろもろ、何を買ったか忘れるくらい買いすぎて金欠気味な9月10月だが
今年最大の(いや今世紀最大の)目玉といえばこれ。
RCサクセション ラプソディー・ネイキッド
ラプソディー ネイキッド
1980年4月5日、今は無き東京九段の久保講堂で行われたRCサクセションのライブが
スタジオでオーバーダビング等を加えられ
同年に9曲入りのアルバム「ラプソディー」として発売された。
あれから25年・・・。
オーバーダビングが加えられる前の全18曲が完全に復活した。
これははっきり言って鳥肌モンのCDだ。
音が25年前の音源と思えないほど素晴らしく、
「昨日録音しました」と言っても通じるほど音質は良い。
元ディレクター森川欣信(連野城太郎)氏のライナーノーツも面白い。
特にラプソディー・ネイキッド発売にいたるまでの経緯は必読。
(ちなみに森川氏はスガシカオや山崎まさよしが所属する事務所の社長)
そういえばこのラプソディー完全版の企画は
1990年頃の本「日々の泡立ち」でも
書かれていたけど、本当に忘れた頃に実現されて嬉しい。
僕の所にアシスタントに来てくれる、
1980年前後に産まれた25歳前後の人達はRCサクセションを知らない人が多く、
「忌野清志郎がいた、日本で最高のロックバンドだよ」と言っても
「『パパの歌』の人ってロックなんですか?売れない俳優かと思ってました」
と阿呆な事を言い返してくる始末だが
日本のロックが好きな人はRCを知らなくてもこのアルバムは聴いた方がいい。
洋楽好きな人の棚に必ず1枚はビートルズのCDが置いてあるのと同じで
「ラプソディー」は日本のロック史において特別な位置にあると思う。
また、これは旧盤のラプソディーとは別物と考えた方が良いと思うので
旧盤を持ってる人も買ったほうが良いでしょう。
旧盤の「ボスしけてるぜ」でフェイドアウトしていった即興の演奏も聴けるし、
アルバム「OK」以前のアレンジの「お墓」「指輪をはめたい」も聴ける。
オープニングのチャボのMCや曲間の清志郎のMCも完全収録だし
一家に1枚は揃えておきたいアイテム。
ただし既発売の物と同じ内容のDVDを付けるのはいかがなものかと。
すでに持ってる人から見れば「その分値段を安くしろ」となると思うので
どうせならDVD無しにするか、曲数を増やすかにすればよかったのにと思う。
その点だけが、抱き合わせ販売の被害者になったような気分で非常に残念。
その他はパーフェクトです。
これを機会にRCの埋もれた音源が発掘されていけばいいなぁと思うが
非公認盤のEPLP2やそれ以降のシングル盤の一部の曲はまだCD化されていないので
いっそうの事、未CD化音源だけを集めて1枚のアルバムにまとめて欲しいものだ。
ラプソディー(オリジナル版全9曲)